こんにちは。三軒茶屋のふじわら歯科医院です。
患者さんの中には、歯のケアに熱心なのに、歯が欠ける、折れる、被せ物が壊れるなどのトラブルを繰り返す方がいます。私の医院にも、そんな患者さんが来院します。お聞きすると、奥歯を失い、ブリッジやインプラントを入れてからも何度も壊れて作り替えたなど、治療の連鎖に悩んでおられるのです。
そんなときに疑われるのが「ブラキシズム(歯ぎしり)」です。ブラキシズムによって、歯や歯や周りの組織、あごの骨などにその耐久性を越える力が繰り返しかかることでトラブルは拡大していきます。
過剰な力が原因となれば、大切なのはその力を減らすこと。そのために欠かせないのが、患者さんの気づきです。ふだんの行動を認識することが改善への第一歩になります。
食生活の見直し(硬いものばかり食べていないか?)、クセの改善(噛みしめグセ、爪を噛むクセなどは?)、睡眠時のブラキシズムは?・・・あらゆる角度から力の影響を洗い出し、リスクをひとつずつ減らしていく必要があります。
もっとも見つけにくいのは睡眠時ブラキシズムです。自覚が難しいうえ、噛みしめだけの「隠れ睡眠時ブラキシズム」には家族ですら気づきにくいもの。チェック項目に該当するかたは、お早めに歯科医師にご相談ください。
●家族に歯ぎしりを指摘された
ご家族の証言は、もっとも信頼性の高い診断材料です。歯ぎしりは強い力で歯を磨耗させ、歯を揺すって歯周病を悪化させるなど、様々な深刻な被害を引き起こします。お早めに歯科にご相談ください。
●朝起きるとあごが疲れている
起床時にあごの疲れを感じるのに、日中には疲れが消えていませんか?歯が磨り減っていないのにこの症状がある場合、就寝中に噛みしめている「隠れブラキシズム」かもしれません。寝違えたと思い込んでいるかたもたまにいるのでご注意を。
●歯がすり減り光沢がある
奥歯の噛みあわせ面や前歯の先が、すり減ってツヤツヤしていませんか?光沢のある方は、ブラキシズムが現在進行中、マット感がある方は過去のブラキシズム痕の可能性大。歯科で診てもらいましょう。
●就寝前より朝のほうが知覚過敏が強い
夜の間の歯ぎしりで歯が擦れて、起きると同時に知覚過敏の症状が出ているのかもしれません。歯が削れていないか、歯科医院で診てもらいましょう。
●治療がよく壊れる
詰め物、被せ物、インプラントなどに耐久性を越える過剰な力が繰り返しかかると壊れやすくなります。とくに審美性の高いセラミックは近年著しく進化し、耐久性がアップして人気ですが、それでもブラキスズムにかないません。
●歯が欠けやすい。折れやすい。
過剰な力が繰り返しかかると次第に歯が傷み、あると耐え切れず、欠けたり折れたりしてしまいます。通常の噛む力は自分の体重ほどですが、睡眠中のブラキシズムは力の制御が効きにくく、さらに大きな力がかかってしまうのです。
●舌や頬に舌痕がある
舌の周囲や奥歯の周りの頬の粘膜に、歯の圧し付け痕はありませんか?就寝中のブラキシズム、また日中の噛みしめグセがあるかたの舌や頬には、筋肉が緊張し歯に圧しつけられた圧痕が残りがちです。
●骨隆起がある
就寝中に歯ぎしりや噛みしめをしたり、日中に噛みしめるクセがあると、舌あごの骨がいつのまにか変形し盛り上がってくることがあります。(口の中が狭くなるほかは、骨隆起自体にとくに害はありません。)