舌癖の原因と対処法って?
三軒茶屋のふじわら歯科医院です。
Qうちの子にはなぜか舌癖があるのでしょう?どういうきっかけでなるのですか?
A離乳の時期や指しゃぶりなど様々な原因があります。対処法についてもお教えしましょう。
●離乳の時期を遅くしすぎていませんか?
2歳を過ぎても授乳を続けていると、舌を前方に出して乳首を巻き込みしぼるようにして飲む乳児独特の舌の動きのために、舌を前に出すクセが残りやすくなってしまいます。また離乳期からはじまる、噛んで飲み込むための舌の動きの訓練が足りなくなることがあります。その影響で、飲み込みのための上手な舌の動きが獲得できず、舌が下がったり前に出る原因となります。
●対処法&アドバイス
授乳をなかなかやめられないお母さんも多いかと思います。授乳は親子の絆を育んできた証、やめるきっかけがないかもしれませんが、とくに添い寝の授乳は虫歯の原因にもなります。お子さんのためにも2歳を目安に卒業させましょう。
●指しゃぶりや、おしゃぶりも遅くまでしすぎていませんか?
指しゃぶりのクセがあると、指が押してしまうことで指の形に合わせて上と下の前歯のあいだにすき間ができ、あごの骨も押して変形させ、開咬の原因になります。大きくなってもやめられなかったり、さらに開咬の穴に下を突っ込むクセが始まってしまうと治りにくい難症例になってしまいます。また、おしゃぶりやタオルなどを口に突っ込むクセもよくありません。指ほど固くはないので影響は少ないですが、同じように開咬の原因になります。
●対処法&アドバイス
1歳半を過ぎたら、2歳を目安に徐々に指しゃぶりやおしゃぶりもなくしていきましょう。開咬になってしまってもそのすき間に舌を突っ込むクセが出なければ、指しゃぶりをやめた後、半年もかからずに歯並びがよくなることもありますが、すき間に下を突っ込むクセが出てしまうと、そのクセを直すのは非常に大変です。ただ無理矢理やめさせると精神的に不安定になってしまうことがあります。「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になったからやめようね」と話し、手遊びをしたり、外遊びを思い切りさせるなどの夢中になれることができるとやめられるかもしれませんね。親が焦らずにゆっくり構えることが大事です。
●乳歯を早く抜きすぎていませんか?
乳歯を早めに抜きすぎると、永久歯がなかなか生えてこないことがあります。歯がなかなか生えてこないと、歯がないところのすき間から空気が漏れて飲み込みにくく発音しにくい上、そのすき間がきになって、あいだに舌を突っ込むクセがつくことがあります。歯が生えてきてもそのクセだけが残ると、開咬の原因になってしまいます。
●対処法&アドバイス
乳歯はぐらぐらして気になっても、早く抜きすぎないようにしましょう。乳歯が抜けた後、永久歯がなかなか生えてこない場合は、歯茎を切開して永久歯が出てきやすくしたり、時には義歯を使って舌癖を防ぐこともあります。乳歯を抜歯する基準はかわりの永久歯が見えてきたときです。ご相談ください。
●気になる場所があるのに放置していませんか?
口の中に大きな虫歯やぐらぐらなのになかなか抜けない乳歯などの気になる場所があると、つい下で触ってしまうことがあります。このクセが長く続くと、舌に押されて歯が動き、開咬の原因になってしまいます。
●対処法&アドバイス
気になるところがある場合は放置しないでなるべく早く歯科医院の健診に通って、生え替わりによる口の中の変化をみてもらったり、虫歯予防をしていきましょう。