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乳児期の虫歯予防について

三軒茶屋のふじわら歯科医院です。3月になり今年はかなり花粉が飛んでますね。毎年花粉症を免れていましたが、さすがに今年はくしゃみが止まらない今日この頃です。いかがお過ごしでしょうか?
さて、今回は
乳児期(特に生後4,5ヶ月から半年くらいまでの)の虫歯予防について説明したいと思います。

★離乳食での失敗
4.5か月頃になると、お乳からでなく色々な食品から栄養をとらなければならなくなりますが、離乳食は成長、発育に必要な栄養をとるだけでなく、色々な食品の固さ、味を覚え、口の動きの発達に伴って噛むことの練習をつみ重ねていく時期でもあります。この時期に注意しなければ虫歯になりやすい食生活の下地が作られていきます。次に日常起こりやすい事柄を挙げてみます。

・甘いものが好き
水分補給のために果汁に蜂蜜や砂糖を入れて飲ませるのではなく、できるだけ自然の味で飲ませ、もし嫌がる場合は薄めて飲ませましょう。できたら番茶や湯ざましがよいでしょう。
離乳食の味付けは、できるだけ薄味にし、大人の味覚で濃い味にしないようにしましょう。にんじんにはにんじんの、お芋にはお芋の味があります。その味を、よく噛んで覚えさせましょう。離乳後期にカステラやクッキーなど砂糖の入った甘いお菓子を与えがちですが、くれぐれも注意しましょう。

・ 不規則な食事のリズム
虫歯になる原因の一つとして、ダラダラ食べと言うのがあります。即ち不規則な食生活によって、いつも口の中が汚れ虫歯が発生しやすい状態になっているのです。離乳食から規則正しい食生活のリズムを作るように心がけることが大切です。特に、寝る前の飲食や夜中に起きてジュース類を飲ませるなどは厳禁です。

・よく、噛まない、噛めない
繊維性のものや、歯ごたえのあるものをよく噛むことにより、口の中は自然に清掃されます。しかし、離乳期に咀嚼機能の発達に応じた食べ方をしないで、固い大きな物を一度に与えたり、柔らかいものばかり与えていると、上手に噛むことができなくなります。そのために、口の中に食べ物をためたままにしたり、柔らかいものばかりを食べるようになり、口の動きや、舌の動きも鈍く、口の自浄作用は低下します。その結果、虫歯ができやすくなります。

・哺乳瓶を長くしようしている
一歳半を過ぎ、奥歯が生えてくる頃になっても、哺乳瓶を使用していると、正常な嚥下できなくなるばかりか、上口唇の動きも悪く、しまりのない口唇となり見かけも悪くなります。しかも、舌は逆方向の前方へ押し出されるような動きになり、食べかすは前歯の回りにたくさんくっつきやすくなり、前歯がとけています。

・偏食がおおくなる
虫歯の多い子供たちには、よく偏食が見られます。離乳食が完了しても上手に噛めない状態が続くと、肉類や繊維性の多い野菜を食べるのが嫌になります。更に味付けが濃かったり、偏りすぎたり、見た目や温度、口あたり、匂いなどに食事での工夫がなされないと、その食べ物を嫌いになってしまうことがあります。また、両親に偏食があると、子供も偏食になりやすいようです。丈夫な歯を作るためには、良質の蛋白質、リン、カルシウム、ビタミンなど、バランスの取れた食事をとる必要がありますが、偏食があると、丈夫な歯は作れません。

■母親の育児態度
・虫歯を作りやすいタイプ
虫歯の多い子供お母さんを見ていると、4つのタイプに分けられるようです。

・甘やかしタイプ・過保護タイプ
子供の欲求に対して、欲しがるがままにジュースやお菓子を与えることが多い。
1~2歳の子供で寝る前にだだをこねたらすぐに哺乳瓶を使用したり、ジュース類を飲ませる
常に子供の身の回りにお菓子の買い置きがある

・放任タイプ
子供に対する保護・育児の気持ちが薄く、食生活を通して、子供の健全な心身の発達を考えない。
一人で食事をさせたり、お小遣いを与え勝手に買い食いさせたり、子供の行動に無関心なことが多い。

・ついついタイプ
虫歯がなく、子供が健全に育つことを願い、その方法も知ってはいるがついつい家庭環境に左右されてしまう。
祖父母同居のために、泣かれたら困るとか、自分の育児方針を出せず、祖父母がお菓子を与えることに対して、諦めて黙って見ている
共働きのために時間がなく、ついつい食事の前に間食を与えたり、食事内容がインスタント風になったりする
下の子が生まれたりすると上の子まで手が回らず、ついついお菓子などでごまかしてしまう

・その他のタイプ
子供の発達段階を把握できない
もう2~3歳で、コップで飲むことができるのに、まだ哺乳瓶で飲ませている。健康食品と言われる物に対し正確な評価を持たない
健康スポーツ飲料を水分補給のために水の変わりに飲ませているが、その内容は糖分が多く、その子供は惨たんたる状態になっている
遊びに行ったらお菓子やジュースをご近所でもらうから
子供に「あなたが甘いものばかり欲しがるからいけないのよ」という
大人が食べているんだからしょうがない・・・など
第一子は真剣に育児に取り組み、虫歯のない子に育てたのに、第二子、第三子になるにつれて、手抜き育児になっているお母さんもいる

■おやつ
間食=甘食ではありません。子供の成長は著しく、1日に必要なエネルギーだけでなく、別の成長のためにもエネルギーが必要です。子供の胃袋は小さいので、3度の食事では間に合いません。どうしても補食が必要となります。それがおやつです。そのおやつは楽しい雰囲気で、子供の心に潤いを与えるようにしましょう。

おやつとしつけ
おやつは時間と量がポイントです。決まった時間に与え、寝る前などには与えないようにします。お砂糖の量の取り過ぎは、偏食・小食・肥満の原因になり、成人病予備軍を作ってしまいます。おやつの量は200Kcal前後、そのうちお砂糖は20g以下に抑えたいものです。
甘いものは間食よりもデザートととして与えてみてはどうですか。食事の後なので量の取り過ぎにもなりません。
甘いおやつと甘い飲物を一緒に与えないようにしましょう。特に粘着性があり、歯にくっつきやすいおやつは避けましょう。例えば、ケーキとジュース、乳酸飲料とビスケットなどです。
虫歯を予防するためには、食べた後にすぐ歯磨きをするのが一番ですが、うがいをするだけでも効果があります。
3~4歳までに甘いものを好きにしてしまわないようにしましょう。

あまいものを少なくしていくには・・・・
外で元気に遊ばせましょう。夢中になって遊んだ後のおやつは、甘いものでなくてもいいのです。お水だって、牛乳だって、煮干しだっていいのです。
おやつを食べる場所を変えてみましょう。雰囲気が変われば何でも美味しく食べれます。
食べ物をよく噛んで食べさせましょう。どんなものにも自然の味があります。本物の甘味は人工の甘味とは違います。しっかり食べ物の味をかみしめてください。
子供の周りに甘いものを置かないようにしましょう。周りの大人たちも甘いものを少なくしていく努力をしてください。
甘いおやつを与える日を決めては0どうですか?お誕生日やクリスマス、遠足、子供たちはその日がとても楽しみで待ち遠しくなります。