口腔ケアの大切さ~Withコロナ時代において~
第2波がきていると言っても過言ではない昨今、自ら出来る何か対策はないのだろうか?
2006年日本歯科医学会誌25号掲載記事によると、インフルエンザについては、冬場6か月間に歯科衛生士による口腔ケアを受けた人のインフルエンザ発症率が1%なのに対し、受けなかった人は9.8%と約10倍の差が出たと既に発表されている。
唾液中にある免疫物質がウイルスを囲み、粘膜内に侵入しないようブロックし、唾液の自浄作用によって洗い流される。しかし、口腔内に歯周病菌などの病原菌があるとウイルスの侵入を手助けするプロテアーゼという酵素が出てウイルスが活性化してしまい、感染リスクが高くなってしまう。
そして、一度は耳にしたことがあるであろう歯周病とは、歯に付着した細菌の塊である歯垢が引き起こす炎症とそれに対する生体反応によって、歯を支える骨や歯周組織が失われる病である。
この病によって、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞、認知症など様々な病気に悪影響が出ることが分かってきている。
毒性の強い歯周病菌がポケットや虫歯の穴から血液に入り、全身に細菌がまわる菌血症が生じる。ウイルス性肺炎を発症した人の口腔内で歯周病菌が血液に入ったことにより、二次性細菌性肺炎を引き起こすと死に至る可能性が高くなってしまう。新型コロナでもウイルス性肺炎が落ち着いた後に、二次性細菌性肺炎を起こすことが報告されており、歯周病菌と新型コロナ重症化の関連性が推察される。
この対策として一つ有効なのが、歯科医院で定期的に治療やクリーニングを受けることである。毒性の強い歯周病菌が体内に入ることを防止することも可能である。自分では気付かなかった小さな虫歯も発見し、虫歯も重症化する前に早期治療することも出来る。
ホームケアも大切だが、是非この機会に歯科医院へ行かれてみてはいかがでしょうか?