肩こり・腰痛の原因は噛み合わせかもしれない

こんにちは世田谷区三軒茶屋 下馬 野沢のふじわら歯科医院です。
3月は天気が大荒れですね。今朝の大雨は大丈夫でしたか?
さて今回は
「肩こり・腰痛の原因は噛み合わせだった」
について

 右の奥歯が抜けたままになっている人は、左の肩から背中にかけてひどい「こり」がでる。これは歯科版「マーフィーの法則」だ。私は長年歯科診療をしている中で、数多くのこうした患者をみてきた。ところが、奥歯を入れて全体の噛み合わせを調整ずると、不思議なことに長年のこりが解消したというケースは本当に多い。
 肩こりだけでなく、イライラ、不安、頭痛、吐き気、やる気の低下、気鬱などのいわゆる不定愁訴も、噛み合わせを調整しただけで解消することも多い。
 人間は常に重力に対抗しながら生きている。骸骨の標本を見るとわかるのだが、数多くの関節がある中で、背骨につながっていて左右に関節があるのは、顎関節と仙腸関節の二つである。つまり。この二つの関節が、身体の中心軸を保つ役割を担っているといってもいい。
 中でも顎関節は、頭蓋骨に近いところにあって、重い頭を支えており、頭頸部の筋肉と密接に関係しており可動域も広い。さらに全身を動かす際に、バランスをとるために顎関節は重要な役割を担っている。
 もしこれがずれてしまったら、頭頸部はもとより全身に影響がでることは推察できる。
 噛み合わせを調整するといっても、薄い紙一枚あるかどうかというごくわずかな調整だけだ。この紙一枚分が違って、左右のバランスがずれていても、長い間にはどこか一本の歯に負担をかけ、咀嚼筋のアンバランスを引き起こす。それによって首の筋肉が引っ張られて筋肉が緊張する。これが頭痛や背中の張りやこりとなって表れる。肩の筋肉が固くなるために腰部の筋肉も引っ張られ、腰痛の原因ともなる。歯のわずかなズレが他の関節や筋肉、リンパ系や体液系に影響を与え、多くの症状をもたらす。
 歯ぎしりも、噛み合わせによって引き起こされることが多い。
 歯ぎしりは、上下の歯を噛み合わせたままで横に動かすことによってギシギシという音が発生する。犬歯は横方向への動きにもある程度耐えられるが、他の歯は横揺れに弱い。
 実は噛み合わせが悪いと、早期接触が起こる。全ての歯は、上下同時に合わさるように設計されているのだが、どこかの歯だけ先に接触することがある。これが早期接触だ。先に接触する歯があるということは、遅れて接触する歯もあるということで、身体はこのアンバランスな状態を正常に直したいと、歯をこすり合わせることで歯を削り高さを同じにしようとする。自分で歯を削るのだ。
 歯ぎしりによって差し歯にひびが入ったり、差し歯が外れることがよくあるが、これは噛み合わせが悪いために、早期接触が起こっている可能性が高い。
 ほんのわずかな噛み合わせの悪さが、肩こり・腰痛、不定愁訴どころか歯をだめにする原因になることもある。注意が必要だ。